東京都渋谷のパッケージデザイン・グラフィックデザイン 株式会社T3デザイン

香りのいちしる パッケージデザイン

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1. プロジェクトの背景

株式会社シンクロ様のだしパック「香りのいちしる」は、手軽に美味しく和食を作る価値を再提案しつつ新規顧客を獲得するため、パッケージリニューアルを行うこととなりました。

現在の市場において、だし商品は顆粒だしや液体タイプ、だし入り味噌といった「手軽さ」を追求した商品と、高価格帯の「本格的なだしパック」に二極化されています。

「香りのいちしる」は厳選された「本格的な食材を使用した」だしパックです。目指すのは、「一汁一菜」や「おみそ汁を作って食べること」そのもののシンプルな魅力を、だしパックの「手軽さ」を使って伝えること。その価値をデザインを使って表現したいと考えました。

ターゲットは、30代から50代の女性。毎日の自炊習慣があり、和食自体は好きであるにもかかわらず、「手間がかかる」という理由から日常の献立に和食をあまり取り入れられずにいる層に設定。和食離れしている潜在顧客層を引き込み、日常生活での和食の頻度を高めてもらうことを目指します。

香りのいちしる パッケージデザイン パッケージデザイン
香りのいちしる パッケージデザイン パッケージデザイン
香りのいちしる パッケージデザイン パッケージデザイン
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2. 課題とそのアプローチ

キッチンにあると「ちょっと上がる」存在に
従来の「香りのいちしる」のパッケージデザインは、シルバー地にシールという非常にシンプルなものです。しかし、そのシンプルさがゆえに、商品そのもの品質の高さや魅力が伝え切れていないという課題がありました。この度のリニューアルではよりモダンで高級感のある印象にしたい、同時にキッチンに置かれた際に、少し気分が上げてくれるようなデザイン性もプラスしたいと考えました。

日本文化のモチーフをモダンに昇華
日本の文化をモダンに昇華した高級感を追求。だしが日本に広がった江戸時代の活気ある文化をモチーフに採用し、その中でも代表的な「歌舞伎」をデザインの着想源として、全3種類のパッケージに落とし込みました。

これにより、現代の食事スタイルにマッチするモダンな表現に、和食の奥ゆかしさと活気ある文化の要素を融合させ、高級感がありながらもキッチンにあると気分が上がるようなデザインを実現しました。

3. デザインのポイント

デザインの核となっているのは、江戸時代の歌舞伎文化です。一見すると美しい和柄のようですが、実は3つの味(「香り」「あご」「野菜」)を、歌舞伎を構成する「女形」「男形」「敵役」に見立てており、鰹節を持った女性(香り)、隈取を施した荒事(あご)、野菜を持った鬼(野菜)といった、遊び心あふれるモチーフが隠されているのが分かります。

使用している和柄は歌舞伎の衣装から取り入れ、色は日本の伝統色で構成することで、本格的な和の雰囲気と上品さを表現しました。

さらに、タイトル周りにはゆったりとした余白をたっぷりと設けてメリハリを出すことで、モダンで洗練された印象に仕上げています。また、輝きを抑えた上品な金色を一部に取り入れることで、派手になり過ぎない高級感を演出しています。

クライアント
株式会社シンクロ
カテゴリ
クレジット
アートディレクター:熊谷英之
デザイナー:熊谷英之、KAZUMA
公開年
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