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デザイナーの本棚

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こんにちは、デザイナーの雨といいます。わたしは幼少期の頃から本、とりわけ‘本のおうち’とも言える本棚がとても好きでした。漫画がぎゅうぎゅうに詰まった本棚も、難しい専門書が並ぶ本棚も、大切な本をそっと飾る本棚も、縦や横に乱雑に詰め込まれられた本棚も、どれもみな愛おしい存在です。

本棚って、その人の嗜好だけではなく、職種や性格、暮らしぶりまでもが垣間見えるような気がしてなりません。さっそく今回は、わたしの自宅にあるお気に入りの本棚(主に、そこで暮らす住人たち)を紹介させて頂きますね。デザインを学ばれている方や興味がある方のみならず、様々な方に見ていただければ嬉しいです。

1. デザインの本

1.1 文字のかたち

(Peter Dawson 、手嶋由美子 (訳) (2015) 街で出会った欧文書体実例集 ビー・エヌ・エヌ新社)

デザインをするにあたって欠かすことのできないもの、そのひとつが文字ではないでしょうか。文字というと、どれも似たような見た目で区別がつかないような気がしますし、おまけになんだか堅苦しいイメージがありますが、そんなことはありません。その生い立ちを知り、目的にあわせて使うことで、ぐっと説得力のあるデザインになりますよ。

『街で出会った欧文書体実例集』は文字の成り立ちや種類を、読み物としても面白くまとめてあります。会社のデスクに置いては時折眺めている一冊です。

(グラフィック社編集部(編集)、久世利郎(発行)(2012)TYPOGRAPHY  グラフィック社)

2015年から2018年まで刊行された文字デザイン専門誌『Typography』。文字っておしゃれで楽しいものという認識を与えてくれたのがこの本でした。実用的なノウハウだけでなく、コラムも読みごたえたっぷりです。バックナンバーは現在もオンラインストアで購入できますよ。

1.2 色のしくみ

(ローレン・ウェイジャー、和田 美樹 (訳) (2018) 配色スタイル ハンドブック ビー・エヌ・エヌ新社)

デザイン制作において配色は悩むところ。高級感のある配色、お得に見せる配色、目を惹く配色、信頼感のある配色、リラックスさせる配色……。この『配色スタイル ハンドブック』は、CURIOSITY 好奇心/DREAMY ドリーミー/MAGICAL マジカル/SOLITUDE 孤独/ROMANTIC ロマンチックといった、感情・イメージ・象徴をキーワードにした配色を掲載しています。色の比率やCMYK/RGB数値も記されているため、すぐに参考にできるだけでなく、読んでいると創作意欲がもくもく湧いてくる、お気に入りの一冊です。

右の本は、色のなりたちを紹介した本です。父が若い頃に購入した本を譲り受けました。本当のことを言うと、デザイン分野に関してはより最新の本が有効的とは思うけれども、古い本も好きなわたしにとっては大切な本なのです。

2. 趣味の本

2.1 生涯の友と、大人になったわたし

わたしの生涯の友達に、絵本と児童文学があります。幼い頃からずっと慣れ親しみ今もなお読み続けているのですが、大人になってあたらしい付き合い方を見つけました。それは、原書を集めること。

(マーガレット・ワイズ・ブラウン(作)、クレメント・ハード(絵)、せた ていじ(訳) (1979) おやすみなさいおつきさま 評論社)

鮮やかな表紙が美しい『おやすみなさいおつきさま』は、寝る前の読み聞かせにぴったりな絵本です。(わたしも時折寝る前に読んでいますよ!)並べてみると、サイズや紙質の違いが分かるのではないでしょうか。わたしが所持しているのは大判サイズですが、原書には幼児向けの小さなサイズで厚紙製の本も存在します。紙が違うと色味も違って見えてきますね。

(アラン・アールバーグ(作)、ジャネット・アールバーグ(絵)、佐藤 凉子(訳) (1979) もものき なしのき プラムのき 評論社) 

こちらは言葉遊びが楽しい『もものきなしのきプラムの木』。英語のタイトルだと『EACH PEACH PEAR PLUM』。EACHとPEACH、PEARとPLUMがそれぞれ韻を踏んでいます。翻訳でも意味は通じるのですが、原書を読むことで言葉の面白さを直接味わうことができます。

(ルース・スタイルス・ガネット (作)、ルース・クリスマン・ガネット(絵)、 渡辺 茂男(訳)(1997)エルマーの冒険 福音館書店)

ロングセラーである『エルマーの冒険』。こちらは読んだことのある方も多いのではないでしょうか。英語のタイトルは『MY FATHER’S DRAGON』。実はこのおはなし、語り手‘ぼく’の父であるエルマー・エレベーターの冒険記なんですね。日本語と原書でタイトルが違っていて、なんだか不思議です。

2.2 音楽の物語

(左:モーリス・ラヴェル(作曲)、増田宏光(解説)(1999)ダフニスとクロエ 日本楽譜出版社  右:ロンゴス(著)、松平千秋(訳)(1987)ダフニスとクロエー  岩波書店)

こちらは、バレエ『ダフニスとクロエ』のスコア譜(オーケストラ全楽器の総譜のこと)と、演目の元となった物語です。なんだ、楽譜じゃないかと思うなかれ!楽譜も本の仲間です。(なぜなら製本されていますもんね。)悲しいことにわたしは音楽にはあまり明るくないので、楽譜を読んでも脳内に豊かな音楽が再生されることはありません。けれども、眺めていると、五線に並ぶ音符たちが、まるで車窓の景色のように様々な表情を見せてくれるのです。

2.3 物知りな存在

叡智の存在である本でも、とりわけ‘物知りな存在’といえば辞典ではないでしょうか。一風変わった辞典をご紹介しましょう。

(左:倉嶋 厚、 原田 稔 (2014)雨のことば辞典 講談社学術文庫 右:川端 晶子、淵上 匠子 (2016) おいしさの表現辞典 東京堂出版)

こちらはどちらも、表現の幅を広げようと学生の頃に購入しました。特に、わたしは‘雨’なので、雨の辞典がお気に入りです。雨の日は苦手という方が多いですが、雨に関する言葉をひとつ知ることで、すこし仲良くなれるかもしれませんね。

『おいしさの表現辞典』は、様々な味の表現を、新聞・漫画・文学作品から抽出して一冊にまとめたものです。同じ食材をテーマにしていても、それぞれ表現方法が違っており見ていて飽きません。

3. まとめ

いかがでしたか? まだまだ紹介したい本がたくさん。今回、デザインのテクニック本や作品集などは掲載しておりませんが、今後機会があれば紹介したいなと思っています。弊社の本棚も紹介したいなあ。

今は賃貸でのくらしなので小さな本棚しか置けないのですが、いつか湖の辺りや森の側に家を建て、壁一面を本棚にすることが夢です。その日の為に、今は本屋へ通いながら少しずつ素敵な本たちを集めていきたいものです。みなさんのお勧めの本もぜひ教えてくださいね。

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